エンジニアへの円滑な転職を行うためには、転職活動で必要な作業の洗い出しと整理を行い、具体的なスケジュールを立案した上で、自己分析や情報収集などの事前準備をしっかり行うことが重要なポイントとなります。
しかし、「具体的なスケジュール」を効率良く作成するためには、転職活動の各段階でどのような活動を行うべきなのか十分に理解しておく必要があります。
今回は、転職活動に向けた「事前準備期間」にはどのような行動が必要となるのか、各段階の作業の流れと概要についてご紹介して行きます。
「事前準備期間」の流れ
まず「事前準備期間」の流れから説明していきます。
転職活動の「事前準備期間」では、転職活動に必要となる各作業の洗い出しと整理を行って転職のスケジュールを立てると共に、自己分析や情報収集を実施し、転職活動に向けた準備を行っていく期間です。
「事前準備期間」で行うべき作業は、大まかに「計画の作成」「自己分析」「情報収集」「応募資料の作成」の4つのステップに分ける事が出来ます。
■「事前準備期間」のイメージ図
一般的に、転職活動は「3ヶ月~6ヶ月」の期間内に行われるケースが多く、特に「3か月」を目途に活動していくのが現在の主流となっています。
「3ヶ月」の期間内でスムーズに転職活動を行っていく場合には、後続の「実践期間」で十分な余裕を持って活動を行うためにも、「事前準備期間」の4つのステップを「2週間程度」の期間内で終わらせる必要があります。
2週間の短期間で十分な準備をするためには、実際に行動するよりも先に、まずはそれぞれのステップでどんな作業と準備が必要となるのか正確に把握しておく必要があります。
それではここからは、「事前準備期間」で実施する、各ステップの概要についてご紹介していきます。
「Step1:計画の作成」
まず「事前準備期間」の第1のステップとなる「Step1:計画作成」では、これから先に実施する転職活動で必要となる出来事を洗い出して整理し、ムリのないスケジュール作成を行います。
転職計画を作成する際には、自己分析や業界研究など、これからの転職活動に必要となる作業を「漏れなく組込めているか」がポイントとなってきます。
また、この期間内で特に重要となるのは、単に作業項目を詰め込んだスケジュールを作るだけではなく、「無理のない行動スケジュールが出来ているか」と、「資金計画を考慮に入れたスケジュールが組めているか」を考えてスケジュール内容の確認を行う事です。
当然のことですが、むりやりに作業項目を詰め込んだスケジュールでは、期間内に転職活動がはまらずに上手く行きません。
また、活動資金を無視してスケジュールを立案した場合でも、転職活動はすぐに立ち行かなくなるため、作業期間と金銭面の双方を考慮に入れた、無理のないスケジュール立案を心掛ける事が非常に重要なポイントとなります。
また、この最初のステップで作成したスケジュールが今後の転職活動の成否を大きく左右するため、この作業では見落としが無いように念入りにチェックを行い、自分にとってベストな計画を練るようにしましょう。
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「Step2:自己分析」
「事前準備期間」の第2のステップである「Step2:自己分析」では、転職活動における「自身の要望」や、仕事に対して自分が何を重視するのかという「仕事観」、そして「エンジニアとしての適性」など、自分の根幹に関わる情報を整理していく段階となります。
転職活動を行う際には、何が本当に必要なのかを洗い出して、自分の本質的な考え方を正確に把握しておく事がきわめて重要になります。
この段階でしっかりと自分の考えや行動基準の洗い出しを行う事で、自分の重視すべきものが明確になり、転職活動に対する迷いが無くなります。
誰でも自分の事は分かっているつもりでも、心に秘めた自分の本当の希望や価値観などは、普段はなかなか表に出てこないものです。
自分を知っているつもりになって、この工程をないがしろにしてしまう方も少なくありません。
しかし「自分の人生観や価値観などを見つめなおす良いタイミング」だと考えて、何度も反芻して自分の理想的な仕事の在り方について考えてみるようにしましょう。
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「Step3:情報収集」
「事前準備期間」の第3のステップである「Step3:情報収集」では、企業のホームページや業界研究本、転職サイトなどから気になる業界や企業の情報収集を行い、実際の転職活動に向けた情報収集を行うステップとなります。
転職活動で最も避けたいケースの一つに、転職後に「思っていた仕事ではなかった」と仕事のイメージのギャップが発覚してしまう事です。
このような事態を避ける為にも、しっかりと事前の情報収集を行ってミスマッチのない転職が行えるように留意しておきましょう。
幸いな事に、情報化が進んだ現代では、容易に必要な情報を手に入れる事が出来ます。
このステップでは、書籍やインターネット、エージェントからの転職情報など、多くの情報媒体を用いて可能な限り情報を集め、収集した情報の精度を高めておきましょう。
中途半端に情報を調べて、業界や仕事内容に誤解を持ったまま転職してしまうと、企業も転職者も双方にとって良くない結果となってしまいます。
悔いのない転職活動を行うためにも、情報収集は手を抜かずに実施するように心掛けましょう。
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「Step4:応募資料の作成」
「事前準備期間」の最後のステップとなる「Step4:応募資料の作成」では、実際の転職活動を行う際に、企業にエントリーするための提出資料を作成していく段階となります。
転職活動の際に企業に提出する資料には大きく分けて3種類あり、「エントリーシート」と「履歴書」、「職務経歴書」を作成する事が一般的です。
企業によってはその他の資料提示を求める事もありますが、転職活動の際に企業からみられる情報は共通しており、「過去に就業した企業の情報」と「職務経歴」、そしてなぜこの企業への転職を希望するのかといった「志望動機」の3点は必ずチェックされるポイントです。
転職先の企業はこれらの情報を総合して、採用後にスムーズに業務が行えるのか、うまく会社で活躍出来るのかといった合否の判断を行います。
希望する企業に上手く採用してもらうためには、自分のこれまでの業務経験をいかに転職先の企業で活かす事が出来るのか、どんな想いを持って転職を希望しているのかを、十二分にアピールする必要があります。
転職活動を行う際に、いかに優れた経歴を持っていたとしても、うまく企業の採用担当者に伝わらなければ意味がありません。
そのため、この応募資料の作成段階では、提出した資料の内容が企業の採用担当者に興味を持ってもらえるように、印象の良くなる応募資料の書き方やアピールの方法を調べ、実践していく事が必要となります。
また、これら3つの資料は、「事前準備期間」全体を通した「成果物」とも呼べる代物のため、丁寧に、かつ積極的に自分の熱意が伝わる資料を作成するように心掛けましょう!
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まとめ
今回は、転職活動の前半部分にあたる「事前準備期間」の大まかな流れと概要についてご紹介しました。
転職活動を行う際には、企業を実際に訪問しての面接のみを重視する方も少なくありませんが、いかに転職をスムーズに終わらせるかは、むしろこの「事前準備期間」のスケジュール作成と事前準備をどのくらいの精度で実施していたかに掛かっていると言えます。
転職活動で実際に行動を起こしていく前には、「事前準備期間」で踏まえるべき各ステップについてしっかりと把握し、それぞれのステップで取りこぼし等が無いように心掛けましょう。