こんにちは!
システムエンジニアのShioです。
あなたは「ハードウェア業界」と聞くと、何をイメージしますか?
「IT業界」といえば、「ソフトウェア」やWEBサイトを真っ先にイメージする方も多いかもしれません。
しかし、どんなに便利なソフトウェアも、操作性の高い「ハードウェア」がなければ、機能を最大限に活かすことはできません。
やや地味なイメージを持たれがちな「ハードウェア業界」ですが、時代の流れに沿って様々なデバイスを開発し続ける「IT業界の屋台骨」と言える存在です。
そこで今回は、「ハードウェア業界」の仕事内容や主要製品、強豪企業といった、業界研究に役立つ情報をご紹介していきます。
この記事を書いた人

東京のIT企業でシステムエンジニアをしています。
エンジニア歴は10年以上。主な開発スキルはJava、JavaScript、HTML、CSS、COBOL、SQLなど。
文系からITエンジニアになって苦労したことから、未経験の人にも分かりやすい解説を心がけています。
Contents
「ハードウェア業界」とは?
「ハードウェア業界」とは、パソコンやサーバーなどのコンピューター、ストレージや印刷機などの周辺機器、ネットワーク機器や家電、ゲームといった電子機器本体を製造、販売する業界です。

製品の多様化と、市場の拡大が進んでいる
「ハードウェア業界」では、製品の多様化と市場の拡大が進み、ますますエンジニアの活躍の場が広がってきています。
最近では、VR機器やドローン、3Dプリンターなどの新たなデバイスが開発され続けています。
製品ごとに、強豪企業の顔ぶれに違いがある
ハードウェア業界で扱われる製品は種類が非常に豊富で、製品ごとに強豪企業やグループ、事業の展開方法などに違いがあります。
国内市場では、日本の大手企業が好調
国内企業で特に多くの売上額を上げている有名な企業には、ソニー、日立、パナソニック、富士通など、国内大手企業が多数ランクインしています。
世界シェアで見ると、海外メーカーに押され気味
高度な技術力を誇る日本企業のハードウェアは世界的にも高い評価を得ています。
しかし世界的なシェアで見ると、アップルやデルなどの海外勢に押され気味な状況となっており、国内メーカーの今後の成長に期待が持たれています。

「ハードウェア業界」の代表製品
「ハードウェア業界」の製品は、種類が実に豊富です。
しかも、製品ごとに強豪企業やユーザーの特徴が違うので、まずはあなたが興味のある製品をメインに業界のチェックをしてみるのがおすすめです。
そこで今回は、「私たちの生活に身近で、ハードウェアの中でも代表的な製品」ということで、以下の2つをピックアップしてみました。
- コンピューター
- タブレット端末

①「コンピューター業界」について
まずは「コンピューター業界」から見ていきましょう。
「コンピューター」という言葉はよく耳にすると思いますが、実はIT業界で扱う「コンピューター」には、大きく分けて2つの種類が存在します。
- 【1】一般家庭、個人用に作られた「パソコン(一般PC)」
- 【2】大企業や組織など、大規模な処理向けの「サーバー」
「パソコン」はデスクトップやノートパソコンなど、自宅で見たことがある人も多いと思います。
一方の「サーバー」は、企業やデータセンターに設定される事が多いので、見たことがある人は少ないでしょう。
「パソコン」も「サーバー」も、どちらも同じ演算処理を行う「コンピューター」を指す言葉です。
しかし、それぞれ用途に応じてハードウェアの構成やスペックに違いがあり、多くの企業が製品に自社特有の特徴や機能を実装してしのぎを削っています。
ここからは、パソコンとサーバーのそれぞれの製品ごとの特徴と、参入している企業についてご紹介して行きます。
【1】「パソコン(一般PC)」業界と強豪企業
「パソコン」産業では、個人向けのノートパソコンや、家庭用のデスクトップパソコンなどの一般家庭向けのパソコンをメインに製造する会社が活躍しています。
■一般PC業界のイメージ図
国内シェアは、国産メーカーが優位に
一般向けパソコンの国内でのシェアを見ると、NEC、富士通、東芝、VAIOが高いシェア率を誇っています。
国内シェアの第1位はNECとレノボが提携した「NECホールディングス」で、2位には富士通がランクインしています。
世界シェアでは、海外の企業に押され気味
一方の世界シェアを見てみると、レノボ、ヒューレットパッカード、DELL、アップル、エイサーなどの海外企業が上位を占めており、日本の国内メーカーは海外勢に押され気味の状況となっています。
世界シェアでは中国製のレノボが1位を獲得しており、世界マーケットに対して圧倒的な存在感を見せつけています。
近年では、高性能な機器の流行と併せて、タッチパネルや薄型のポータブル端末や、台湾製のエイサーなどが提供する低価格端末も登場しています。
各メーカー製品は性能面での競争を行うだけでなく、各製品で機能に特徴を持たせたり、用途に併せて製品のバリエーションを増やし、幅広い顧客ニーズにも柔軟に対応を行っています。
業界全体を見ると、Windows XPのサポート切れによるコンピューターの一斉買い替えが行われた事とタブレット端末の流行に押され、近年のパソコン売上げは落ち込み気味な流れとなっています。
【2】「サーバー」業界と強豪企業
「サーバー」は、企業や政府、金融機関などのサービスを提供する大規模で高性能なコンピューターの事で、高性能な機器の製造を得意とするメーカーが多数参入しています。
■サーバー業界のイメージ図
国内シェアは、富士通のシェア率が高い
国内メーカーで高いシェアを誇るのは富士通、NEC、日立製作所などで、国内でのシェア第1位は富士通となっています。
世界シェアは、ヒューレットパッカードなどの海外勢が人気
一方の海外勢は、アメリカ企業のヒューレットパッカード、DELL、IBM、レノボなどが世界シェアの上位を占めています。
世界シェアの第1位はアメリカのヒューレットパッカード、第2位はDELLがランクインしており、日本企業を大きく突き放して高いシェアを誇っています。
②「タブレット業界」について
アップル社の「ipad」が発表されてから人気となった「タブレット端末」は、時代の流れと共に参入企業が増加し、世界各国のメーカーが入り乱れて製品開発を行っています。
■タブレット業界のイメージ図
日系企業が奮戦しているが、海外メーカーが人気
国内企業の代表格はNECレノボコーポレーション、富士通、京セラ、パナソニック、ソニー、東芝など多くの大手企業が参入しているものの、海外勢の企業と比較すると今一歩届いていない状況が続いています。
一方の海外メーカーは、アップル、サムスン、レノボ、エイスースなどのメーカーが高いシェアを誇っています。
世界シェアは、アップル社が独走の状態
世界シェアの第1位はアップルで、他社とは大幅な差をつけた圧倒的なシェア率を誇っており、「タブレット端末」はアップルの独走状態と言えます。
タブレット業界内では、国内と海外シェア共にアップルが独占する結果となっています。
「ハードウェア業界」の技術動向
「ハードウェア業界」は、新しい商品が次々と発表されていることからも、今後も順調に伸びていくと考えられています。
IoTを活用した、新サービスに期待
特に、近年ではIoTの技術浸透により様々な製品がネットワークに接続される流れとなっており、これまで何気なく利用していた電化製品の機能拡張や、これまで見たことが無かった新サービスの考案と提供が期待されています。
VRやドローン、3Dプリンターなど、面白い技術が増えている
また、VR(バーチャルリアリティー)やドローン、3Dプリンターなどのハードウェア業界がけん引する技術革新によって、社会のサービスレベルが格段に向上する兆しを見せています。
「ハイブリッド製品」など、市場や顧客ニーズに合わせた製品が登場
ここ数年のパソコン市場では、タッチパネル式のパソコンやキーボードとディスプレイが取り外せる分離型ノートパソコンが登場するなど、ノートパソコンとタブレット端末の両方の良い部分を取り入れた「ハイブリッド製品」が登場してきており、市場や顧客ニーズの変化併せて新しい製品の開発が進んでいます。
まとめ
今回はコンピュータとタブレット端末に焦点を当てて、ハードウェア業界についてご紹介しました。
国内シェアでは日本企業が奮闘しているものの、世界的なシェアという面では海外メーカーにいま一歩及んでいない分野が多くあります。
しかし、日本ならではの技術力を活かした独自路線で戦っている産業も多く、国内ハードウェア業界の今後の活躍に期待が持たれています。
2020年の東京オリンピックでは、ロボットの活用が期待されている事や、IoTにより家電などの様々な製品がインターネットに接続されて機能が向上するなど、ハードウェア業界の製品開発と技術進歩は今後ますます白熱していく事が予想されています。
このように、ハードウェア業界は「最新の技術を活かして、国内の産業を牽引したい」という方におすすめの業界となっています。
最新の技術や製品に興味のある方は、ぜひハードウェア業界に挑戦してみてはいかがでしょうか。
■この記事の参考書籍:
日本経済新聞出版社 (2017) 『日経業界地図 2018年版』日本経済新聞出版社
東洋経済新報社 (2017) 『「会社四季報」業界地図 2018年版』東洋経済新報社