こんにちは!
システムエンジニアのShioです。
あなたは、「ソフトウェア業界」と聞くと、どんなイメージがありますか?
私たちの生活の中では、スマートフォンのアプリや家庭用のゲームなど、「ソフトウェア」をつかった製品を色々なところで見かけます。
普段の生活になじみ深いものが多いので、「IT」と聞くとこういった「ソフトウェア」を思い浮かべる人も多いと思います。
新しいIT機器が発表される裏側では、「ソフトウェア」の分野でも技術進歩や新製品が生まれ続けています。
そこで今回は、IT機器の制御やシステム開発で重要な役割を持つ、「ソフトウェア業界の特徴」についてご紹介していきます!
・「ソフトウェア業界の特徴」
・「業界の主力製品」
・「業界内の強豪企業」
・「今後の動向や展望」
といった、「ソフトウェア業界」の解説をしていきます。
「IT業界について知りたい人」、「業界研究をしたい人」は、参考にしてみてください。
この記事を書いた人
東京のIT企業でシステムエンジニアをしています。
エンジニア歴は10年以上。
・主な開発スキルはJava、JavaScript、HTML、CSS、COBOL、SQLなど。
・経験した業務は企画、設計、開発、導入、保守、ヘルプデスク、研修講師(プログラミング研修、システム操作研修)など。
文系からITエンジニアになって苦労したことから、未経験の人にも分かりやすい解説を心がけています。
目次
どんな業界?「ソフトウェア業界」の特徴
それではまず、「ソフトウェア業界」の特徴からご紹介していきます。
「ソフトウェア業界」は、IT機器の動作制御ソフトや、業務システムをはじめとした、「ソフトウェア」を開発、販売する業界です。
日本の「ソフトウェア業界」は、1966年に国内初となるソフトウェア開発企業が設立されたのがはじまりで、その後、大手のコンピューターメーカーや海外企業も多数参入し、国内のマーケットが出来上がりました。
製造業などの他業界とくらべると歴史は浅いですが、いまや日本の経済成長には欠かせない、大規模なマーケットの一つとなっています。
「ソフトウェア業界」の主要な製品
つづいては、「ソフトウェア業界」の製品について説明します。
「ソフトウェア業界」の主要な製品は、大きく分けると2種類に分類できます。
- 「オリジナルのソフトウェア」:オーダーメイドで開発
- 「パッケージソフト」:完成品を販売
1つ目は、クライアントの要望を元にしてオーダーメイドで開発する「オリジナルのソフトウェア」で、2つ目は、「パッケージソフト」と呼ばれる「完成品のソフトウェア」です。
それぞれ、順番に解説していきます。
①「オリジナルのソフトウェア」
まず、「オリジナルのソフトウェア」からご紹介します。
完全オーダーメイドで「オリジナルのソフトウェア」を開発する場合、顧客の要望に応じて一からシステムを作り上げるため、「顧客ニーズに応じた最適なソフトウェアを導入しやすい」というメリットがあります。
しかし、要望を一から抽出して開発を行っていくため、「パッケージソフト」と比較すると費用と作業期間が増加してしまうデメリットがあります。
②完成品を販売する「パッケージソフト」
「パッケージソフト」の場合、最初から完成されたソフトウェアを販売するため、費用が少額で押さえやすいという点と、顧客がシステムを購入してからすぐに導入して利用ができる点がメリットとして挙げられます。
しかし、「パッケージソフト」はあらゆる顧客ニーズに対応出来るよう、平準化された機能が実装されています。そのため、「顧客要望に完全には応える事が出来ない」というデメリットがあります。
近年の主流な導入方法
過去のソフトウェア業界では、大手ソフトウェアメーカーが主体となり、顧客ニーズを吸い上げた大企業向けの「オリジナルのソフトウェア」を開発するのが主流でした。
しかし近年では、自社内で集約した業務知識やノウハウを活かした「パッケージソフト」を開発/販売する企業が増加傾向にあります。
ここ最近では、社内ノウハウを集約した「パッケージソフト」の販売を行い、導入時に顧客ニーズ吸い上げて「カスタマイズ」と呼ばれる改造を施して、より顧客のニーズに合致したソフトウェアに改良して導入する手法が流行しています。
「パッケージソフト」と「オリジナルのソフトウェア」の良いとこどりとも言える導入方法のため、業務システムを取り扱う多くの企業でこの方法が採用されています。
「ソフトウェア業界」の参入企業と強豪
ソフトウェア業界では実に様々な「アプリケーションソフト」が販売されています。
■ソフトウェア業界のイメージ図
市場の代表格は「Microsoft」
その中でも、特に世界的なシェアを誇り市場の代表格となっている製品として、Micorsoft社の「Windows」「Word」「Excel」などが挙げられます。
「OS」を扱う企業は、「Windows」を手掛けるMicrosoft社、「iOS」や「Mac」を主力製品に持つApple社が堅調な売り上げを見せています。
また、フリーウェアの「OS」を開発、提供している企業として、「Andoroid」のGoogle社、「Linux」を手掛けるredhat社が有力企業としてランクインしています。
「OS」「業務ソフト」「セキュリティーソフト」など、ソフトウェアの種類ごとに参入している企業や強豪は大きく異なりますが、ソフトウェア業界の全体で、海外製品が強い存在感を放っています。
近年の国内のマーケットで堅調な売り上げを誇るのは、「セキュリティソフト」やデータの分析を行う「ビジネスアナリティクス」関連の製品となっています。
今後の技術動向と展望
ソフトウェア業界の今後の動向として、「セキュリティソフト」や「ビッグデータの分析ソフト」、ERPや人工知能、クラウド化関連の事業が伸びていく見込みです。
「セキュリティ強化」の流れ
日本の国内企業は、2017年に大手企業に多大な影響を与えた「ランサムウェア」による事件を受け、セキュリティの強化を図る動きを見せています。
このため、コンピューターやネットワーク機器などのセキュリティの信頼性を高めるべく、「セキュリティソフト」の売り上げが伸びています。
「ビッグデータ」の活用と「データ分析ソフト」が注目されている
また、「データ分析ソフト」の市場も売り上げが伸びてきており、各企業で活用方法の検討が行われています。
近年では、「IoT」の導入により、あらゆる機器がインターネットに接続され、ビッグデータと呼ばれる膨大なデータの蓄積が行われています。
蓄積した大量データを企業のマーケティング分析やサービスの向上などに活用し、よりよい社会づくりに役立てることに期待が高まっており、今後はビジネスアナリティクスなどの分析ツールや、人工知能を活用したデータ分析の分野が伸びていくと予想されています。
「クラウド化」に対応する企業も増加
その他にも、ソフトウェアのサービスをWEB上で提供するクラウド化技術のSaaS (Software as a service)に対応する企業も増加しており、自社製品をいつでもどこでも利用できる流れとなっています。
まとめ
ソフトウェア業界では、OSやセキュリティソフト、データベース管理などの「アプリケーションソフト」を手掛ける海外企業が世界シェアの大部分を占めています。
一方で、国内のソフトウェアメーカーは、データ分析ソフトやセキュリティーソフト、クラウド化など、今後の社会動向を見据えた事業展開に力を注いでいます。
ビッグデータやセキュリティ、人工知能などに興味がある人は、ソフトウェア業界に挑戦してみるのも良い選択かもしれません。
■この記事の参考書籍:
日本経済新聞出版社 (2017) 『日経業界地図 2018年版』日本経済新聞出版社
東洋経済新報社 (2017) 『「会社四季報」業界地図 2018年版』東洋経済新報社