この記事では、
- IT業界の企業で「未経験でもOK」のエンジニア求人が多い理由ってなんでなの?
- 「文系・未経験」からの就職・転職でも、本当に大丈夫なの?
といった疑問にお答えしています。
こんにちは!
システムエンジニアのShioです。
あなたは、「未経験からのITエンジニアへの転職」って、どのくらい難しいと思いますか?
企業が転職者の採用をする時には、「業界経験者を採用する」傾向が強いのが一般的です。
しかし、「IT業界」の求人では、積極的に「未経験者」の採用をしている企業が多いのはご存知でしょうか?
「IT業界への転職」は、チャンスと意欲さえあれば誰でも挑戦でき、未経験者の方でも参入しやすいのが特徴です。
でも、一体なぜ、「IT業界」では未経験者でも採用されやすく、他の業界と比べて転職がしやすいのでしょうか?
今回は、「IT業界」が「積極的に未経験者を採用している理由」や、「他の業界と比べて転職がしやすい理由」についてご紹介します。
【対象読者】
「IT業界の企業で、「未経験OK」の求人が多い理由」を知りたい人
【この記事を読むと】
「IT業界で未経験者向けの求人が多い理由と、IT業界の動向」が分かる
この記事を読むことで、IT業界で「未経験者向けの求人」が多い理由が分かります。
IT業界の動向を理解しておけば、転職活動への不安をなくして、モチベーションを高めることができるので、おすすめです。
IT業界や、エンジニアの求人に興味のある方は、参考にどうぞ。
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この記事を書いた人
東京のIT企業でシステムエンジニアをしています。
(エンジニア歴は10年以上)
【主な開発スキル】
Java、JavaScript、HTML、CSS、COBOL、SQLなど。
【経験した業務】
企画、設計、開発、導入、保守、ヘルプデスク、研修講師(プログラミング研修、システム操作研修)など。
IT業界の企業で「未経験OK」の求人が多い理由【未経験でも大丈夫! 】
それでは、IT業界の企業で「未経験OK」の求人が多い理由について、ご紹介していきます。
まず最初に、「なぜIT業界では、就職や転職がしやすいのか?」という点について、ご紹介していきます。
なぜIT業界は就職・転職がしやすいのか?
「IT業界」では、「未経験者」を積極的に採用している企業が多く、一度にたくさんの採用枠を設けて「大規模な採用活動」を行う企業も少なくありません。
他の業界では、1度の採用活動で「数人~十数名」ほど採用するのが一般的ですが、「IT業界」では、1度に「数十名」ほどの採用をする企業がよくあります。
特に、「大手のIT企業」ではその傾向が強くなり、1度に「100名以上」も採用することもあるほど、積極的に人材の確保をしています。
この積極的な採用が行われる背景には、現時点で「ITエンジニアが不足傾向にある」ことと、今後の「市場成長」と「人材の供給量」から推測して、「近い将来に深刻なエンジニア不足が発生する」といった、IT業界の抱える問題が隠されています。
深刻化する「ITエンジニアの人材不足」
最近は、いろいろな業界で「人員不足」が囁かれていますが、IT業界の「エンジニア職」では、特にその傾向が顕著になっています。
オリンピックを控えた現在、組織業務のシステム化やサイバーセキュリティー強化への取り組み等、IT化を重要な課題として活動する企業が増加しています。
こういった世の中の流れにより、今後の10年間で、日本国内では「IT化のニーズ」が大幅に増大する見込みとなっており、ITエンジニアの活躍の場がますます広がると予想されています。
しかしこのような流れとは裏腹に、少子高齢化により人材の供給数が減少することからも、各業界の中でIT業界の人材不足は特に大きな問題となってくると予想されています。
出典:「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」経済産業省
経済産業省が2016年に実施した人材に関する調査、「IT人材の不足規模に関する予測」によると、2015年の時点でIT人材不足数は既に約17万人にのぼっており、IT人材の供給数は、2019年をピークに今後の10年あまりで減少する事が予想されています。
このままのペースで「市場の拡大」と「人材供給の減少」が続いた場合には、IT人材の不足人数は2030年に約59万人に上ると見られており、さらに悪化した場合には、最大で約79万人に達する見込みで、今後ますますIT人材の不足が深刻化していくと予想されています。
ITエンジニアが不足する5つの理由
それでは、将来的にIT人材が不足してしまうのには、具体的にどのような理由があるのでしょうか?
「IT市場の拡大」や「人材の供給量」には様々な要素が絡み合っているため、一言でこれだという明確な理由は存在しません。
しかし、社会の流れや市場動向を読取る事で、大まかな要素を把握する事は可能です。
ここからは、今後の10年間でITエンジニアが不足してしまう主要な原因について、以下の5つにまとめてご紹介します。
■ITエンジニアが不足してしまう主要な5つの原因
- IT化ニーズの増加による市場の急激な拡大
- ベテランエンジニアの高齢化と退職
- IT業界には独立志向のエンジニアが多く、独立、転職しやすい傾向にある
- IT業界は激務というイメージにより、抵抗を感じる人がいる
- 技術革新のスピードが速く、既存技術の陳腐化がはやい
【理由①】IT化ニーズの増加による市場の急激な拡大
エンジニアが不足する1つ目の理由として「IT化ニーズの増加による市場の急激な拡大」があげられます。
2020年のオリンピックを間近に控えた現在、海外からの滞在者の増加による様々な経済効果が期待されています。
これを受ける形で、国内市場の各組織では、業務の効率化やエンドユーザーからのアクセス性の向上などを期待して、IT化のニーズが大幅に高まってきています。
また、「モノのインターネット」と呼ばれる「IoT」の技術普及により、これまでよりも多くの製品がインターネットに接続され、ネットワーク上で情報の管理を行う流れとなってきています。
さらに、2017年に世界的な猛威を振るった「ランサムウェア」と呼ばれるウイルスソフトの影響で日本の大手企業も大きな打撃を受けたことから、各企業内でセキュリティ強化の必要性が高まり、ここ数年でサイバーセキュリティーの対策強化を図る企業が増加しています。
このように、近年の日本国内では急激にIT化のニーズが高まっており、市場の拡大に対してIT人材の供給が間に合わない状況となっています。
■高まるIT化ニーズの例
・オリンピックに伴うIT化ニーズの大幅に増加
・IoTの技術普及による、エンジニアの活躍の場の拡大
・セキュリティ強化の必要性が高まっている
【理由②】ベテランエンジニアの高齢化と退職
エンジニアが不足する2つ目の要因として、「ベテランエンジニアの高齢化と退職」が挙げられます。
日本で初めてのソフトウェア会社が設立された1966年以来、国内では多くのIT企業が誕生し、1970年代に入ってからは日本発の国産パソコンが誕生するなど、国内のIT市場はこの数十年の間に大きな成長を遂げてきました。
特に、1990年代に突入してからは国産パソコンの売上げが上昇をはじめ、その後の1990年代の後半には、日本のパソコンの売上げが急上昇してパソコンの最盛期を迎えました。
そういった時代の流れに連動する形で、エンジニアのニーズも増えていき、1990年代の中頃から日本国内のエンジニアの数は爆発的に増加していきました。
そんなパソコン全盛期とも呼べる国内IT市場を開拓してきた「1990年代から2000年代の入社メンバー」ですが、現在は40代の中旬~50代になっており、日本のIT業界を支えてきたベテラン勢の高齢化が目立ってきています。
短い期間で爆発的な市場の伸びを見せてきたIT業界は、当時から人員が不足気味であるとささやかれており、その対策として大量の人員確保を行ってきた経緯があるため、IT業界内でのベテラン勢の割合は無視できないほどに大きなものとなっています。
今後の10年間で更なる拡大が予想されているIT業界ですが、市場が拡大するのと逆行するように、IT業界の拡大を進めていたベテラン世代が定年を迎え、現在のIT業界を牽引する主力層が一斉に抜けてしまうことになります。
このように、IT業界のベテラン層の定年退職により、今後のIT業界のエンジニア不足がより深刻なものとなってしまうと予想されています。
【理由③】IT業界には独立志向のエンジニアが多く、独立、転職しやすい傾向にある
エンジニアが不足する理由の3つ目は、「IT業界には独立志向のエンジニアが多く、独立や転職をしやすい傾向にある」事があげられます。
IT業界の仕事では、顧客側との折衝やコンサルティング、稼働維持作業などの顧客先業務も多々あり、プロジェクト単位で仕事を行う局面が多くあります。
しかし一方で、ソフトウェア開発などの開発者として活躍するエンジニアの場合は、自分固有の技術力を活かした単独での仕事を行う場合が多いという特徴があります。
このような技巧派や職人気質なエンジニアの場合には、独立志向や勉強意欲が高い人が多く、より良い条件で雇ってくれる会社への転職を希望する傾向にあります。
それとあわせて、IT業界では慢性的な人員不足が続いているため、大規模なプロジェクトの場合にはグループ会社や下請け企業に仕事を振ったり、外部からの人員の調達を行うケースが多々ある事から、人の出入りが激しく、愛社精神が少なかったり、転職に抵抗を感じない人が多く存在しているという特徴があります。
このような背景から、プロジェクト内で抱えていた優秀な人材が他の企業に移ったり独立してしまう事が、企業のエンジニア不足を生む原因の一つとなっています。
【理由④】IT業界は激務というイメージにより、抵抗を感じる人がいる
エンジニアが不足する理由の4つ目は、「IT業界は激務だという良くないイメージを持っており、参入する事に抵抗を感じる人がいる」事があげられます。
IT業界の仕事に対して、「遅くまで帰れない」「仕事がキツイ」「給料が安い」などの良くないイメージを連想する人が少なからず存在しており、こういったイメージを持つ人はIT業界を敬遠しがちな傾向にあります。
たしかに、IT業界の仕事は納期が絶対と捉える企業が殆どの為、大規模なプロジェクトや短納期の案件の場合には、大量の人員を投入してプロジェクトを押し進めたり、逆に少人数が長時間の残業を行って対応を行うなどの対応で業務を押し進めるケースも存在します。
しかし、これはあくまでも炎上した案件や大規模なプロジェクトに限った話であり、最近では充実した生活を送っているエンジニアが多く見受けられます。
近年では「36協定」や「働き方改革」などの制度の充実により、長時間労働を抑制する働きかけが進んでおり、他の業界と比較しても時間に融通が利くIT企業は働きやすい環境と言えますが、クリーンなイメージが浸透していない事もあり、他の業界と比べてIT業界を積極的に志望する人材はまだまだ少ないのが現状です。
また、給料面の話でも、国内のエンジニアはアメリカと比べてエンジニアの給料がやや少ないという事から、海外に比べて国内のエンジニアのイメージはあまり良くないものとなっているようです。
このようなマイナスイメージが先行して一人歩きをしてしまい、新卒生や転職者を遠ざけてしまう一つの要因となってしまっている現状がある為、今後のIT業界はマイナスのイメージを払拭していかに人員を集めてこられるかが重要なポイントとなっています。
【理由⑤】技術革新のスピードが速く、既存技術の陳腐化がはやい
エンジニアが不足する理由の5つ目として、「技術革新のスピードが速く、既存技術の陳腐化がはやい」ことがあげられます。
プログラミング言語や各種ソフトウェアを初めとしたIT業界の技術は、日々進歩を繰り返しており、他業界と比較してもすごいスピードで向上しています。
このことから、これまでプログラミングやWEBサイト構築などの主流となっていた言語や技術などが、数年後には古い技術となっていたり、利用されなくなってしまうなどの問題が出てきます。
そのため、数年前まで有識者として活躍出来ていたとしても、数年後にはもう技術が利用できなくなってしまう事もあり、1つの技術しか修得していないエンジニアは短期間しか活躍できない可能性があります。
また、新しい技術を習得したエンジニアはどの業界からも引く手数多となることから、新技術を扱う分野の企業は常に人手不足の状態となります。
このように、IT業界の技術進歩のスピードが速いという特徴は、エンジニアの利用していた技術がすぐに使えなくなってしまうという問題も併せ持っているため、業界が求める技術を習得したエンジニアが常に不足してしまう可能性があります。
その為、ITエンジニアには常に新たな知識を取り入れて学び続ける向上心と学習意欲が必要となります。
IT業界は意欲と挑戦心のある人材を求めている
ここまでにご説明したとおり、近い将来に日本のIT市場では深刻なエンジニアの人材不足が発生すると予想されており、IT業界ではエンジニアになりたいという人材を積極的に採用する企業が増加してきています。
IT業界では技術の進歩スピードが速いため、仕事を行う上で常に新しい技術やツールについて学び続ける必要があります。
現場の技術者も、時代の変遷に応じて新しいツールや技術に遭遇し、使用しながら慣れて行くというやり方を取っている人がほとんどです。
そのため、エンジニアとして活躍するためには、現時点でプログラミングの知識や技術を持っている事よりも、新しい事への挑戦したり学習し続ける勉強意欲を持っている事が重要なポイントとなります。
このような業界の特徴から、現時点で未経験の方でも、意欲と挑戦心があれば、今後エンジニアとして活躍できる可能性は十二分にあります。
エンジニアとして活躍してみたい方は、この機会に挑戦してみるのも良い選択だと思います。
まとめ
今回の記事でご紹介した通り、IT業界は元々多くの人材確保が行われやすいという業界の特徴とあわせて、今後のIT化ニーズの増加による市場拡大とエンジニアの不足により、今後は高確率でエンジニアの売り手市場が到来する事が予想されます。
人材不足が進むという言葉を聞くと不安に感じてしまう方も居るかもしれませんが、既にエンジニアとして活躍をされている方はもちろん、今までエンジニアに興味を持っていながら挑戦を見送っていた方にも、新しい事に挑戦してみるのに絶好のタイミングだと言えます。
これまでなかなか挑戦する決心がつかなかった方も、エンジニアの売り手市場の波に乗り、思い切って新しい事に挑戦してみるのはいかがでしょうか?